Geo-Business BLOG

来店予測にはデータ活用が必須!予測精度向上のポイントは?

実店舗を運営している企業にとって、需要予測は非常に重要な要素です。顧客の需要を正しく把握することは、売上の向上やリソースの最適化に不可欠といえます。従来の需要予測は長い経験に基づいたベテランの経験や勘によるところが多く、数値化するのは難しいものと考えられていました。

しかし最近はITツールの発達により、十分なデータを集めて分析することで、ベテランでなくても需要予測や来店予測が可能になっています。とくに、人流データを組み合わせることで来店予測の精度を大きく上げることができ、より効率的かつ効果的な店舗運営が可能です。また、新規出店の判断にも利用できます。

ここでは、店舗運営に大きな効果のある来店予測の概要と方法、活用方法について紹介します。

来店予測とは

来店予測とは、過去のデータを分析し、それを基に来店する顧客数を予測することです。

来店予測を行うことで、需要予測や仕入れの最適化、シフト調整などが可能になり、店舗運営を効率化できます。また、効率的かつ効果的なマーケティング戦略のプランニングも可能です。

来店予測については、次の記事も参考にしてください。
店舗の売上予測の精度を上げるために位置情報データを活用するポイント

来店予測の方法

来店予測は次のような流れで行います。

  1. データ収集
    自社でデータを収集したり、外部データを取得したりして必要な量のデータを用意します。
  1. 分析手法の決定
    来店予測を行うための予測モデルを構築します。
    分析手法には重回帰分析やハフモデル分析などの手法が用いられます。
  1. データの分析
    予測モデルを使って収集したデータを分析します。
    従来は分析には専門家のノウハウが必要でしたが、最近はAIを活用し、社内で分析を行う企業も増えています。

分析手法でよく用いられるのは、次の2つです。

  • 重回帰分析
    統計学で用いられる手法です。売上に影響する要因は店舗面積、従業員数、商品数、駐車場の収容台数、店舗へのアクセスなどさまざまなものがあります。そこで、どの要因が売上にどう影響しているかを分析するものです。新規店舗の出店時や店舗のリニューアル、マーケティング施策の変更などに役立ちます。
  • ハフモデル
    商圏分析でよく用いられる手法です。顧客の自宅から店舗までの距離と、店舗面積を中心に分析を行います。集客率を競合店舗と比較できるので、新規出店や競合店舗の出店時によく利用されます。
    最近は店舗面積だけでなく営業時間、駐車場の収容台数、店舗のブランド力などを加えた「店舗の魅力値」を利用し、より精密な分析が可能です。

予測に必要なデータとは

来店予測では、次のようなデータを利用します。

  • 過去の来客数データ
  • イベントやキャンペーンなどのスケジュール
  • 天気情報
  • 商圏人口とその属性
  • 昼と夜の人口比率
  • 通行量
  • 競合店舗に関するデータ

このように来店予測には過去の実績データのほか、人口や競合店舗、天気に至るまで外部環境に関わるさまざまなデータが必要となります。

来店予測を行うときの注意点

来店予測のためにデータ分析を行うには、次のような注意が必要です。

  • 来店予測は推定値であることを理解する
    データ分析の結果はあくまで推定値であり、完全に正確な予測を行うことはできません。
    データの量、質、鮮度、使用した分析手法などにより、データの精度は異なります。
    また、短期的な予測はできても、長期的な予測は難しいものです。
  • 正確な分析には十分な量と質のデータが必要なことを理解する
    来店予測は過去のデータに基づいて行います。そのため、まずは過去のデータや現在の状況について、十分な量と質のデータを揃えることが重要です。

来店予測でできること

来店予測を行うことで、次のようなことが可能になります。

店舗運営の効率化・最適化

緻密な来店予測により、在庫、仕入れ、仕込み、スタッフのシフトや配置などのリソースを最適化できます。そこから、リソース過剰による商品の廃棄や、リソース不足による販売機会のロスを防ぐことが可能です。

これによって店舗運営についてのプランニングをより効率化でき、収益構造も改善できます。

プロモーションの精度を向上

人流データを併用した来店予測を行うことで、商圏分析を基にしたマーケティングを取り入れることが可能です。

たとえば多くの来店実績のあるエリアへの販促を強化したり、逆に来店率の低い地域や属性へのキャンペーンを行ったりすることができ、売上向上にもつながります。

効果的な広告配信

ターゲットのエリアや属性が判明することで、広告配信にも活かすことができます。

狙ったターゲットや来店率の高い地域に合わせて、より細かく広告配信をコントロールし、コストを最適化しながら効果を上げることも可能です。

出店戦略の策定

店舗を出店する前に来店予測を行えば、出店可能かどうかを判断したり、出店戦略を練るのに活かしたりすることが可能です。

出店候補エリアを選択したり、出店候補エリアで来店シミュレーションを行って出店戦略の精度を高めたりすることができます。

このように来店予測は、広告プロモーションや出店戦略を策定するうえでの不可欠な要素です。そのため、できるだけ精度の高い予測が求められています。

来店予測の精度を上げるには人流データが必要

精度の高い来店予測を行うために注目されているのが人流データです。

人流データとは許諾を得たユーザから取得した位置情報から生成されるデータで、人の移動や滞在時間など人の動きに関する情報を高精度かつ高頻度に得ることができる特徴を持っています。

人の動きは、従来の人口統計や通行量調査などからもある程度把握できましたが、即時性が乏しく、必ずしも地域の現状を正しく把握できていないという課題がありました。

人流データでは少ないタイムラグで精度高く人の動きを把握できることから、より緻密な分析が可能になり、精度の高い来店予測を行うことができます。

人流データについては、次の記事を参考にしてください。
人流分析で何ができる?活用の場はどんどん広がっている

人流データはマーケティングにも活用できる

来店予測と人流データの組み合わせは、マーケティングにも大きく役立ちます。人流データと来店率を組み合わせることで、自社のメイン顧客層を明確に可視化できるからです。

たとえば、次のようなデータを把握できます。

  • 来店した顧客の属性と、どのエリアから来ているのか
  • 広告やキャンペーンなどの施策で効果があるエリアか、つまり潜在的な売上の伸び代があるか
  • 他店舗や競合店とは顧客の動きがどう違うのか

このデータは、来店率の高い顧客へのマーケティングにも、来店率の低い顧客へのマーケティングにも利用できます。

まとめ:効率的な店舗運営やマーケティング戦略の策定には人流データを活用した来店予測が必要

来店予測は、効率的な店舗運営だけでなく、マーケティング戦略の策定においても欠かせない要素です。人流データは、顧客の動向を高度に把握することができるため、来店予測の精度を高めることができると期待されています。

人流データを取得し来店予測につなげるには、専門的なノウハウやツールが必要なため、自社だけで行うことはかなり難しいでしょう。その場合は、ぜひブログウォッチャーにご相談ください。プロファイルパスポートDMP、「商圏ウォッチャー」では、スマートフォン端末から収集した位置情報データを収集し、分析、データ連携、可視化ツールの開発などが可能です。

Profile Passport DMP | 株式会社ブログウォッチャー