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Wi-Fi位置情報の仕組みとメリットとは?GPSとの違いを知ろう

Wi-Fiといえば、自宅や会社でパソコンやスマートフォンを接続してインターネットを利用するというイメージがあるでしょう。現在は、商業施設や学校などさまざまな場所でWi-Fiを利用する機会があります。Wi-Fiはインターネットにアクセスするとき、その端末の位置情報を測定しているのですが、その位置情報を利用して、デリバリーや地図などさまざまなサービスが行われています。乗換案内や天気予報など、現在欠かせないサービスとなっているものも多く、広く知られているでしょう。ここでは、Wi-Fi位置情報の概要やGPSとの違い、メリット、注意点などを説明します。

Wi-Fiの位置情報サービスとは

Wi-Fiを利用した位置情報サービスとは、Wi-Fiに接続することで現在位置の情報を測定・通知したうえで、ユーザーが求める情報や品物を提供するものです。ユーザーがニーズに従ってアプリなどを操作すると、必要に応じて自動的に現在位置の測定と通知が行われます。

位置情報サービスとは

現在地の位置情報を利用して、さまざまなサービスを提供するものです。たいていはスマートフォンで位置情報を測定し、アプリの形でサービスを提供します。提供されるサービスは、天気予報、地図、乗換案内、フードデリバリー、タクシー配車、プロモーションなどです。

スマートフォンが普及したことで、位置情報の取得が容易になりました。そこで位置情報を利用したアプリやサービスの種類が増え、利便性も大きく向上しています。

ただし、位置情報の利用には同意が必要です。アプリやサービスによっては、初回起動時、あるいはサービスを利用するたびに同意を求めます。利用の同意/拒否は任意で切り替え可能です。

Wi-Fi位置情報サービスの仕組み

スマートフォンのWi-Fi位置情報サービスの仕組みを紹介します。

  1. あらかじめ、Wi-Fiアクセスポイントと位置情報を結びつけた「位置情報データベース」を構築しておく必要があります。
    この「位置情報データベース」は、GoogleやAppleなど、位置情報サービスを提供する企業が構築するものです。
  2. スマートフォンが、最寄りのWi-Fiアクセスポイントから発信されるビーコン信号を受信し、受信した位置情報をサーバーに送信します。
    ビーコン信号については、「ビーコンを使ったマーケティングとは?他の通信機器との違いと活用方法」を参考ください。
  3. サーバーは、位置情報データベースから該当するWi-Fiアクセスポイントの位置を割り出します。
  4. さらに、ビーコン信号の強さから、Wi-Fiアクセスポイントからスマートフォンまでの位置を割り出します。

Wi-Fi位置情報とGPSによる位置情報との違い

GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)は、人工衛星を利用して端末の位置情報を測定するものです。主にカーナビ、経路案内、マーケティングなどに利用されています。スマートフォンでは、Wi-FiだけでなくGPSによる位置測定も行われています。GPSを使えば、リアルタイムな位置測定を行ったり、経時的に移動を記録したりすることも可能です。

さらにGPSは人工衛星から全世界を網羅しており、地球上のどこにいるのかが分かります。また、Wi-Fiとは異なり、端末をなくしてしまったときに探すことも可能です。

ただし、GPSにはバッテリーを多く消費する、屋内では精度が低いなどのデメリットもあります。

GPSとWi-Fiは対立するものではありません。両者を併用することで、より精度の高い位置検出が可能になります。

GPSについては、「意外と知らないGPSの仕組みとは?位置情報を測定する仕組みから用途まで詳しく解説します!」を参考ください。

Wi-Fiの位置情報サービスのメリット

Wi-Fiの位置情報サービスのメリットを紹介します。

室内でも利用できる

Wi-Fiはアクセスポイントさえあれば、屋内でも変わらずに位置を測定できます。

複数の端末を接続できる

1つのWi-Fi機器に、同時に複数の端末を接続することができます。

ケーブルが要らない

Wi-Fiは無線なのでLANケーブルを利用しません。そのため、複数の部屋、屋外、お風呂など、ケーブルの使えない場所でも利用できます。

アプリとの連動ができる

ゲーム、地図、デリバリーサービスなど、さまざまなアプリと連動して位置情報を利用できます。

コストがかからない

既存のWi-Fiアクセスポイントを利用することが多いので、コストを抑えられます。

Wi-FiにはGPSやビーコンに比べて、次のようなメリットがあります。

Wi-FiGPSビーコン
位置測定が可能な場所Wi-Fiアクセスポイントがあるところ全世界ビーコンの発信機があるところ
屋内や地下での利用可能できないところもある可能
測定精度50m~100m程度の誤差数m~数十m程度の誤差数cm~数m程度の誤差
複数の電波の干渉ありなしなし
消費電力小さい比較的大きい小さい

Wi-Fiの位置情報サービスを利用するときの注意点

Wi-Fiの位置情報を利用するときには、次のような点に注意が必要です。

サーバーとの通信が必要になる

Wi-Fi位置情報サービスの仕組みにより、位置を測定するには次の条件を満たす必要があります。

  • Wi-Fiアクセスポイントがあること
  • インターネットで位置情報データベースにアクセスできること

また、端末側の設定で「Wi-Fi」をONにし、「位置情報サービス」の利用に同意しなければなりません。

測位のズレが起こる可能性がある

回線が不安定だと位置情報サービスも不安定になり、うまく位置を測定できません。その場合は、次のような方法で対処できます。

  • 時間をおいて再度測定を行う
  • 端末やWi-Fiルーターを再起動する

セキュリティに注意が必要になる

現在は、交通機関や宿泊施設などの企業や店舗が提供するもの、観光地で自治体が提供するものなど、さまざまなWi-Fiアクセスポイントがあります。

しかし、フリーWi-Fiのなかにはセキュリティ上のリスクがあるアクセスポイントも多いのです。例えば、接続した端末の通信内容を盗聴するもの、通信内容を漏えいするもの、なりすましや権限の乗っ取りを意図したものなどがあります。提供元が不明で安全性の確保できないフリーWi-Fiには接続しないようにしましょう。

まとめ:Wi-Fi位置情報は生活に欠かせないサービスになりつつある

普段は、Wi-Fiで位置情報を利用していると意識することは少ないかもしれません。しかし、Wi-Fi位置情報を利用したサービスは、スマートフォンアプリでは欠かせないものになっています。天気予報や乗換案内などさまざまな目的で利用されているので、使ったことがないユーザーは少ないでしょう。

最近は料理のデリバリーシステムやクーポン配布など新しいサービスも生まれて、ますます活用の幅が広がっています。自社のビジネスに合わせて位置情報を利用したサービスの展開を考えている企業も多いのではないでしょうか。

位置情報を利用してサービスを行うなら、株式会社ブログウォッチャーが提供する位置情報データサービス「プロファイルパスポートSDK」をご検討ください。GPSで網羅性・時間的連続性の高い位置情報を取得し、ビーコンやWi-Fiを併用して精度を高めています。GPSとWi-Fi双方のメリットを生かして精度の高い位置情報を提供しているので、さまざまなサービスの展開が可能です。スマートフォン向けに構築されているため、リアルタイムな集客や販促にも高い効果があります。