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人流分析で何ができる?活用の場はどんどん広がっている

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「人流」や「人流分析」という言葉をよく聞くようになりました。

IT技術が発達して位置情報を取得しやすくなったこと、AI(人工知能)を活用して、取得したデータを分析しやすくなったことなどが理由です。

人流データの活用場面も増えており
マーケティングだけでなく、感染症予防や防災などの分野で活用されています。

人流分析とはどんなものか、分析によって何がわかるのか、分析結果はどう活用されるのかを紹介します。

人流分析とは

人流分析(People-Flow Analysis または People-Counting Analysis)とは
人流、つまり人の流れを観察して分析することで、人流解析ともいいます。

そもそも人流とは

人流とは、人の流れや人の動きのことです。
人が「いつ」「どこから」「どの場所」へ移動しているのか、また、特定の場所・時間にどれだけ滞在しているのかを指しています。

人流データとして使われることが多く、マーケティングや防災計画などに活用され、最近はメディアでもよく取り上げられるようになりました。

人流分析はなぜ注目されているのか

現在、人流分析が注目されているのには、次のような理由があります。

  • 位置情報データが取得しやすくなったため
    スマートフォンの普及により、広く位置情報を取得できる端末が広がり
    GPS(Global Positioning System、全地球測位システム)、携帯電話の基地局、Wi-Fi、Beaconなど、大量かつ精度の高い位置情報データを収集できるようになりました。
    その結果、人やモノの位置情報を大量に、かつ容易に取得できるようになりました。
  • 取得した人流データが分析しやすくなったため
    コンピュータの進化やAIなどデータを分析する技術の発達により
    大量の人流データ(ビッグデータ)を速やかにかつさまざまな方向で分析しやすくなりました。
  • データにかかるコストが安価になったため
    安価にスケーラビリティの高いサーバー環境が整うことで
    分析基盤であるデータの格納にかかるコストを抑えることができるようになりました。
  • 活用の場が増えてきたため
    人流データが活用される場が、マーケティング、防災対策、感染症予防などさまざまに広がってきました。

人流分析で何がわかるのか

人流分析によって、次のようなことがわかります。

  • 人口密度
    特定の日時の特定の地点に、どの程度の人がいたのか
  • 人々の移動
    人がどこから来て、どこに行ったのか
  • 移動手段
    人がどういう手段(徒歩、自転車、自動車、電車など)で移動しているのか

これらのデータをさらに分析し、さまざまな方向で活用していきます。

人流分析でできること

人流分析によって、特定の場所や施設を利用する人の数や流れを把握できます。
さらにそのデータを生かし、次のように応用することが可能です。

人流の多さは、施設の用途や目的により、集客と解釈することも、混雑と解釈することもできます。
以下、人流分析によってできることを紹介していきます。

  • マーケティング
    人流分析によるキャンペーンの効果を測定する
    イベントの集客効果を可視化する
    新規出店や既存店の改革など、さまざまな角度から人流データを調査に利用できる

位置情報を活用したマーケティングについては、「位置情報マーケティングがビジネスを加速させる!その効果と注目される理由とは?」もご参照ください。

また、具体的に業界別でみると
人流データは、下記のような取り組みに活用できます。

  • 小売店、外食産業
    人流に合わせて集客を行う
    人流や時間帯に合わせて価格を変化させる(ダイナミックプライシング)
  • 商業施設
    人流を分析した結果を基に、施設のレイアウトを改善する
    来客数の変化をデータ化することで、イベントの効果を可視化する
  • テーマパーク、文化施設
    人流を分析して施設内の動線を改善する
    滞留時間を分析して渋滞を改善し、機会損失を減らす
  • 製造業
    人流データを分析して工場や作業場の滞留場所を発見する
    滞留場所の周辺環境や作業フローを改善することで動線を最適化し、業務効率化につなげる
  • オフィス
    曜日・時間帯別に人流データを分析して環境整備に役立てる
    (例)照明や空調などのON/OFFを切り替えるなどで、人感センサーの配置を減らすことができる
  • 交通機関、物流
    駅や施設における人流を分析することで、利用者の動線を可視化する
    滞留状況を可視化することで混雑を予測する
    (例)路線バスの場合、利用者数に合わせて運行ルートの修正・改善ができる
    タクシーの場合は、配車の時間や場所を最適化できる
  • 自治体、公共団体、建設・不動産
    経済活動や都市活動の流れを可視化することで、効率的な都市計画や公共政策を実施する
    混雑状況を把握することで、より適切な防災計画を立案できる
  • 金融・投資
    人流に現れる経済活動を、企業に対する投資判断の基準とする
  • 医療
    都市や国・地域間の人流データを感染状況の研究や感染拡大の予測、感染拡大予防に役立てる

このように、人流データをマーケティングや業務改善、経営判断などに生かすことで
顧客の課題を解決したり付加価値を生み出すことが可能です。
それにより、施設や空間の付加価値を高めて、さらに顧客満足度を向上させることにつながります。

つまり、人流分析は社会全体にとって非常に重要なものになっているのです。

人流分析を活用したマーケティングの例

人流データだけでもさまざまなことがわかりますが
さらにほかの情報と組み合わせることで、より活用の幅が広がります。

小売、外食

人流データに
購買データや人口構成、競合比較などのデータを組み合わせることで、需要予測や売上予測ができます。それにより、曜日や時間帯に合わせて人員や仕入れを最適化することが可能です。

その結果、コスト最適化や売上向上、利益増加につなげることができます。

エリアマーケティングについては、「エリアマーケティングのメリットとは?やり方とポイントも合わせて解説」をご参照ください。

広告、販促

広告や販促キャンペーンを行った時点の人流データから、キャンペーンによる来店効果を計測できます。

また、人流データを参考にすることで、ジオターゲティング広告をより効果的に運用することが可能です。

ジオターゲティング(Geotargeting)広告とは
人流データからターゲットの位置を解析し、特定のエリアにいるユーザーにのみ配信する広告です。商圏にいる顧客に直接アプローチでき、店舗の認知度を向上させたり、来客を増やしたりすることができます。

交通

人流分析により、曜日や時間ごとの利用者数や、人がどこから来て、どこへ向かうかがわかります。

そのデータをもとに、既存路線の数や方向を修正・改善したり、新規路線を開業したりして、路線を最適化することが可能です。

また商圏分析を組み合わせることで
オンデマンド交通などの次世代交通システムの導入にも利用できます。

人流分析はこれからさらに活用されていく

人流分析は、最近になって本格的に利用されるようになりました。
それは、IT技術の発達と普及によってデータ収集・分析・活用がしやすくなったからです。

人流分析は単独でもさまざまな用途で利用されていますが
ほかのデータと組み合わせることで、より活用の幅が広がります。
オフラインでなんらかのマーケティングを行う場合は、人流分析が必要とされることも多いでしょう。

たとえば、位置情報を活用して人流分析を行うことで
人流だけでなく、より細かい動向や目的を明らかにすることが可能です。
それはさらに有効なマーケティングにつながります。

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