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二次交通の整備と位置情報の活用は地域振興にも観光客にも役に立つ

どれほど観光地に魅力があっても、そこまで行く交通手段がなければ集客はできません。目的地までスムーズに行けなかったり、不必要に時間がかかったりすれば、観光地の魅力も半減してしまうでしょう。そこで重要なのが二次交通です。普段の生活で地元住民が使っている二次交通を観光客も利用することで、観光客の顧客体験も向上し、観光地のイメージアップにもつながります。

さらに、二次交通に利用時の位置情報データを組み合わせることで活用の幅が広がり、新たなビジネスが生まれるかもしれません。

ここでは、二次交通の役割と課題、さらに二次交通を観光客の顧客体験向上のためにどう活用できるかなどを紹介します。

地域や観光の振興に欠かせない二次交通

二次交通(Secondary Traffic)とは、拠点となる空港や鉄道の駅から、観光目的地まで行くための交通手段のことです。複数の交通機関を使用する場合、2つ目の交通機関を指すこともあります。例えば、鉄道や空路、自家用車で目的地の近くまで行く場合、そのあとに乗る路線バスやシャトルバスが二次交通です。

二次交通は、観光客の利便性向上や地域観光促進だけでなく地域住民の生活を便利にするためにも、重要な役割を果たしています。

なぜ二次交通が重要なのか

地方では、次のような理由で二次交通が重要になっています。

  • 地方では公共交通機関が充実していないため
    都市部では電車・バスなどの公共交通機関が充実しており、さまざまなスポットや店舗の近くまで公共交通機関で行くことができます。
    しかし、地方では自家用車での移動が多く、公共交通機関はあまり充実していません。種類が少ないだけでなく、運行本数も少ないので、移動に使いにくいのです。これは観光客だけでなく、地域住民にとっても不便であり、公共交通機関がさらに使われなくなる原因にもなっています。
  • 二次交通がないと販売機会を逃すため
    上に述べたように、地方では公共交通機関だけではたどり着けないスポットや店舗も数多く存在します。それでは観光客は希望のスポットや店舗に行けません。もちろん、地域住民も車がないと行きにくくなります。
    その結果、二次交通がないと店や観光スポットのほうでは販売機会を逃してしまい、経営にも悪影響を与えてしまいます。
  • 地方への観光客が増加しているため
    最近は東京・大阪だけでなく地方での観光を楽しむ外国人観光客も増えています。しかし観光地となるような地方は公共交通機関だけでは移動しにくく、目的地にたどり着けないこともあるので、二次交通が必要です。

このような理由から、地方や観光業界にとって二次交通は非常に重要です。二次交通を充実させることができれば観光客の利便性も向上し、住民の生活も活性化し、地方経済にも良い影響を与えるでしょう。

二次交通の例

駅まで電車で、空港まで飛行機で、郊外に設けた駐車場まで自家用車で移動(一次交通)したあとの二次交通としては、次のようなものがあります。

  • 路線バス
  • シャトルバス
  • 乗り合いタクシー
  • 周遊バス
  • シェアサイクル
  • タクシー
  • レンタカー

地方や観光地によっては、次のようなものを「次世代二次交通」として利用し、特色を出しています。

  • 人力車
  • 自転車タクシー
  • 電動カート
  • 電動サイクル

二次交通の課題

しかし、地方の二次交通には、まだまだ課題がたくさんあります。

所要時間が長い

一次交通で移動できる駅や空港が観光目的地からかなり離れていることが多く、二次交通の所要時間が1時間以上かかる場所も少なくありません。

運行本数が少ない

二次交通の本数が少なく、鉄道からすぐに乗り換えができず時間が無駄になってしまうこともあります。

種類が少ない

地方のバス事業は収益低下による本数削減や人手不足などの問題があり、本数も路線数も縮小の傾向があります。そのため、二次交通として選べるのはレンタカーやタクシーのみというケースも目立ちます。

情報が少ない

二次交通の運営元は小規模な民間企業も多く、英語で情報提供していないところもあるため、外国人観光客にはチケットの購入方法や手荷物の預け方などが伝わりにくくなっています。

また路線も複雑でわかりにくく、外国人に限らず観光客には利用しにくいという課題もあります。

二次交通を顧客体験向上に活かすには

二次交通をより積極的に使ってもらい、顧客体験を向上させるためには、次のような方法があります。

位置情報データを活用した十分な情報提供

二次交通に関する情報を十分に提供することが必要です。例えば、出発地、経由地、目的地ごとの路線、乗り方、チケットの買い方などが挙げられます。また位置情報データを組み合わせることで、現在地から乗り場までの経路や、混雑情報なども表示することができます。

Webやスマートフォンのアプリを利用し、割引やクーポンなどのサービスも適切に表示します。外国人観光客にも理解しやすいように、最低でも英語との2か国語で表示しましょう。

また位置情報データを利用して、観光スポットでは場所に応じた観光情報やおすすめスポット、店舗などの情報を表示することもできます。

位置情報データを活用して経路をわかりやすくする

現在地と目的地の位置情報データをもとに、土地勘のない人にもわかりやすく移動経路を表示する方法も有効です。MaaSと組み合わせて、Webやスマートフォンのアプリからルート検索・予約・決済までできるとより便利になります。

【参考記事】MaaSが観光にもたらす可能性とは?活用のポイントと事例を紹介

位置情報データを表示して所要時間をわかりやすくする

路線バス、シャトルバス、周遊バスなどでは、バスの路線図と位置情報データを組み合わせ、走行位置をリアルタイムに可視化することが可能です。

バス停では、バスがいまどこにいるのか、現在地のバス停まであと何分くらいかかるのかなどを表示できます。また、遅延情報や混雑情報も表示可能です。

     車内では、バスがいまどこにいるのか、目的地まであと何分くらいかかるのかなどを表示します。

位置情報データを活用したコンテンツを表示する

バスやタクシーなどの二次交通を利用している間、位置情報データを利用して、デジタルサイネージで現在地や目的地に合わせた内容の広告を表示します。

地域の観光コンテンツを発信したり、近隣にあってもあまり知られていない観光スポットや店舗の情報を周知する施策で周遊効果を狙うことが可能です。

位置情報データを活用した災害時の情報提供

万一観光地で災害が発生したときには、位置情報データを利用し、現在地からの移動支援情報など公共性の高い情報を提供するなども有効な施策です。特に外国人観光客向けには英語その他外国語での情報提供も重要です。

まとめ:二次交通の整備と位置情報データの組み合わせは観光客誘致に有利

情報化社会のいま、ネット上などには多くの観光情報があふれています。しかし地方ではまだまだ情報発信ができていない場所があったり、慣れていないと目的地に行きにくい場所もありますす。そこで、二次交通を整備して目的地行きやすくする必要があります。そのためには、地域全体をカバーする取り組みが大切です。

また、観光情報を提供するときも位置情報データをもとにすれば、よりピンポイントで使いやすい情報を発信することができます。それによってさらなる周遊効果を狙い、より多くの観光客を誘致することも可能です。

位置情報データを利用したマーケティングや情報発信には、株式会社ブログウォッチャーが提供する位置情報データサービス「プロファイルパスポート」をおすすめします。ビジネス価値の高い位置情報に基づき、二次交通でもさまざまな場面で利用可能です。スマートフォン向けに構築されているので、リアルタイムな情報提供にも便利なサービスです。