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6/16より改正電気通信事業法 外部送信規律が施行!位置情報事業者に求められる対応とは?

2023年6月16日より改正電気通信事業法が施行

2023年6月16日に改正電気通信事業法が施行(2022年6月17日に改正電気通信事業法が公布)され「外部送信規律」という新しいルールが適用されます。

今回の改正は、インターネットを利用したビジネス環境や生活環境の変化を踏まえ、インターネット上のサービスの円滑な提供・利用者の利益の保護を図ることを目的としています。

Webやアプリを通じたビジネスを営む多くの事業者は、個人に関するデータを取得・利活用している事実を利用者(ユーザ)に対して、気づきやすく、わかりやすく公表することが義務化されます。

データ送信の透明性向上を義務化した「外部送信規律」

外部送信規律の要件は、3点に集約できます。

1点目は、インターネットでビジネスを行うほとんどの事業者が規制の対象となる点で、最もインパクトが大きい改正点となっています。電気通信事業法は、従来、通信会社やインターネットサービスプロバイダーなどを主な規制対象としてきました。これが、今回、対象の範囲が大きく広がりました。「自分たちは電気通信事業者ではないから大丈夫!」と認識していても、運営しているサービスや、サービスに実装している機能・収益モデルなどによっては、規律の適用対象となる場合があるため、改めて、確認を行う必要があります。

詳しい判定方法については、外部送信規律の対象事業者(フローチャート)<外部サイト>をご参照ください。


2点目は、Webサイトだけでなく、アプリから送信される、法令上の個人情報には該当しない情報が対象となることです。例えば、Webサイトの場合はCookieに記録された閲覧履歴、アプリの場合は位置情報やトラッキング(追跡)情報などが対象となります。現状、個人情報保護法にのっとり「プライバシーポリシー」を通して個人情報取得の同意を得ているケースや、海外法(EUのGDPRなど)への準拠や透明性担保を目的として、「Cookieポリシー」や「同意取得バナー」を通じた対応を行っているケースがあるかと思われます。外部送信規律への対応は、これら現状の対応で十分なのか、追加で何か対応しないといけないのか、確認する必要があります。

3点目は、Webブラウザーやアプリから送信される利用者情報に関して、確認機会の付与が義務化されていることです。確認機会の付与の方法は、原則として「通知」または「利用者が容易に知り得る状態に置くこと(以下、「公表」といいます)」となっています。これらの実装要件については、利用者視点で気づきやすく、分かりやすい実装となっていることが、従来の法令・ガイドラインよりも、より踏み込んだ形で具体化されています。また、「同意取得」または「オプトアウト」が代替策になるケースもあります。

(引用:外部送信規律とは?

違反した場合、罰金やレピュテーションリスクも!

規律に違反した事業者は、行政処分の対象となります。報告および検査への対応が求められ、違反している事実が確認された事業者に対しては、行政指導により改善が促され、改善が見られない場合は業務改善命令が発せられる。業務改善命令に従わない場合には200万円以下の罰金が科され、氏名等が公表されることがあります。また、虚偽報告や立入検査拒否等は30万円以下の罰金が課される場合があります。

また、外部送信規律への対応不備や違反が見つかった場合、即時罰則の対象となるのものではありませんが、社名が公表され、メディアで報道されたり、SNSで取り上げられたりすることで、レピュテーションリスクにつながる可能性も想定しておく必要があります。


(引用:外部送信規律 違反時の罰則・リスクとは?

「位置情報データ」における対応とは

外部送信規律の対象となる事業者が、広告配信や統計分析を目的として「位置情報データ」を送信している場合、通知または容易に知りうる状態に置くこと(公表)の対象となります。

ブログウォッチャーが提供するPPSDKを実装しているアプリにおいては、アプリ事業者からブログウォッチャーへ外部送信を行っている内容がわかる記載へ、どのページからも、利用者が容易にアクセス(到達)できるように実装いただくことをお願いしています。

また、ブログウォッチャーでは、「位置情報等のデータの取得・活用について」というページで、位置情報データを取得している目的や、端末上でのオプトアウト方法を、できる限りわかりやすい表現や、イラストを用いて、公表しています。

ブログウォッチャーは業界団体の自主ルール策定に積極参加しています

(1) 一般社団法人LBMA Japan 共通ガイドライン

株式会社ブログウォッチャーは、一般社団法人LBMA Japanの創設メンバー・理事企業・共通ガイドライン委員会メンバーとして、位置情報データの業界ルール(共通ガイドライン)策定に積極的に関与しています。

電気通信事業法改正に伴う、共通ガイドラインは、以下より参照可能です。

一般社団法人LBMA Japan 共通ガイドライン

(2) JIAA(一般社団法人日本インタラクティブ広告協会) 

株式会社ブログウォッチャーは、JIAA(一般社団法人日本インタラクティブ広告協会)の外部送信規律対応検討タスクフォース メンバーとして、ガイダンス策定に協力してまいりました。

電気通信事業法改正に伴う、ガイダンスは、以下より参照可能です。

一般社団法人日本インタラクティブ広告協会 外部送信規律 ガイダンス

出典:

株式会社プライバシーテック わかりやすい外部送信規律解説

「外部送信規律 スピード対応マニュアル」(山下大介, 日経BP, 2023年)