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【事例インタビュー】広告業界必見!ポストCookie(クッキー)時代に立ち向かう、データクリーンルームを活用した、最先端のデータ分析事例/株式会社CARTA COMMUNICATIONS様

今回は、
株式会社CARTA COMMUNICATIONS様にインタビューをさせていただきました。

CARTA COMMUNICATIONS様(以下、CCI)は、
インターネット黎明期から現在まで
約2,000の取り扱いメディア、媒体社様とのリレーションと豊富な実績を活かし、
事業会社様の課題解決を遂行している会社様です。

広告効果計測が難しくなるCookieレス(*1)時代でも
オンラインだけでなく、
オフライン(実店舗来場など)の広告効果も分析できるようにしていく、
最先端の取り組みに注目です!

(*1)Webサイトの閲覧履歴を保存するCookieによる情報の取得が規制される動き

==========お話しいただいた方==========

株式会社CARTA COMMUNICATIONS
メディアソリューション・ディビジョン データプランナー
小池 健太郎様(写真左)

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==========インタビュアー==========

株式会社ブログウォッチャー

プロファイルパスポート事業部
パートナーセールス1チーム 小林樹杏(写真右)
営業企画チーム 丹野 裕鵬
営業企画チーム 末永 千紘

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1)サービス概要

事業内容

ーーまずはじめに、御社のサービス概要を教えてください。

弊社は1996年に
株式会社サイバー・コミュニケーションズとして創業して以来、
広告主様側と媒体社様側(メディア・プラットフォーマー様)
それぞれのパートナーと共に、
インターネット広告の発展に黎明期から携わってきました。

2019年にVOYAGE GROUPと経営統合をして
株式会社CARTA HOLDINGSを設立、
2021年7月にサイバー・コミュニケーションズより事業を承継し、
CARTA COMMUNICATIONS(CCI)として始動しています。

インターネット広告事業に加え、
事業開発力を強みとするVOYAGE GROUPとの統合によるシナジーも活かしながら、
広告だけでなく、
データマーケティング・コンサルティングなども含めた、
より発展したデジタルソリューションを提供した上で、
事業会社様と生活者のより良いコミュニケーションを実現できるよう
日々挑戦をしております。

担当・ミッション

ーーその中で小池様はどのようなお仕事を担当されているのでしょうか?

私は、メディアソリューション・ディビジョンの「Data Dig」という
弊社のcookieレスに対応したマーケティングサービスを提供するチームに所属しており、
主にデータプランニングと、データのリクルーティングを担当しております。

ーーご担当部署のミッションをお聞かせください

広告のマーケットが進化していく中、
他の企業様に負けない競争力向上を目標に
昨今騒がれている『Cookieレス対策』に取り組んでいます。

ポストCookie時代でも、
企業様が生活者と広告などを通したデジタルコミュニケーションを取れるような
ソリューションの開発と推進がミッションになっています。

その中での私個人の役割としては
データマーケティングサービス「Data Dig(データ ディグ)」チームの中で

①Data Clean Room(データクリーンルーム)(*2)を活用した分析支援
②Data Clean Roomの機能拡充を目的とした、データの調達とサービス開発

の2つを担っています。

(*2)Data Clean Room(データクリーンルーム)とは、
Cookieという技術を使わずに、
かつ適切なユーザーからの許諾などプライバシー面に配慮しながら、
データの分析や統合ができるクラウドの環境。
主にメガプラットフォーム(Google、Yahoo、Meta、Amazon、LINEなど)が、
特定の企業のみに提供している。

2)取組背景

写真:株式会社CARTA COMMUNICATIONS 小池 健太郎様


Cookieレスが与える影響

ーー会社をあげて、Cookieレス時代に向けて対策を進めてらっしゃるんですね。
ーー具体的にCookieレスが与える影響はどのようなものがあるのでしょうか?

業界全体として、
そして弊社としてそれぞれの側面で影響があると考えています。

業界としては、
「ターゲティング配信における制約が増える」という側面です。

ターゲティング広告を実施する際、
3rd Party Cookie(*3)ベースでターゲティングを行うケースが多いため、
Cookie規制により配信量の減少や、
ターゲティングの精度が下がったりすることが懸念されます。

(*3)アクセスしたWebサイトと異なるドメインが発行したCookieのこと。


また、Cookieとは、WEBサイトを閲覧したときに、
訪問者が訪れたサイトや入力したデータ、
利用環境などの情報が記録される仕組み。

弊社としては、
「広告効果分析での価値を返しにくくなってしまう」という側面です。

広告の効果を改善をしていく中で、やはり効果計測のニーズは高いです。
しかし、Cookie規制によりターゲティング配信以外に、
効果計測にも影響を及ぼすため
適切な評価が困難になることで分析・検証の価値を出しにくくなり、
結果として
お客様自身も広告に対する投資効果を評価しづらくなる難しさがあります。

取り組んでいる「Cookieレス対策」

ーーその中で、御社が考えている「Cookieレス対策」はどのようなものになるのでしょうか?

まさに今回お話ししていくポイントになりますが
3rd Party Cookie規制によって、広告効果の計測や分析を
Data Clean Roomで補っていくことを主軸に考えています。

Data Clean Roomにいかに3rd Party Cookieベースではない

・位置情報データ
・購買データ
・TVの視聴データ

などを集積していけるかが肝になってきます。

今回はブログウォッチャー様との取組としまして
位置情報データと連携することでCookieレス対策としての、
DataCleanRoomによる分析事例として、
一歩前進できた事例をお話しできればと思っています。

3)取組内容

写真:株式会社CARTA COMMUNICATIONS 小池 健太郎様

取組概要

ーー早速ですが今回の取組概要を教えてください。

今回お話しするのは
全国規模の自動車系のクライアント様で取り組ませていただいた案件になります。

この会社様は、元々Google広告とTVCMをやられているクライアント様でした。
当初から、
会員登録などのデジタルでコンバージョンした結果は分析することができていましたが、
実際に広告に接触した人が来店したのかどうかという、
オフライン上での実効果を捉えることができていませんでした。

クライアント様からは、オンライン効果だけでなく
実際の店舗への来店効果も分析したいというニーズをいただいていたため
御社の位置情報データと連携させていただいて、
取り組んでいく運びとなりました。

ーー具体的に御社でどんな支援を行ったのでしょうか。

弊社が行った支援としましては

・Googleの広告接触データ
・TVCMの視聴データ
・ブログウォッチャー様の位置情報データ

の3つを連携することによる、広告接触後の実店舗への来店効果分析です。

具体的には

・Google広告のみ接触した人
・TVCMのみ接触した人
・Google広告とTVCMに両方接触した人
・Google広告にもTVCMにも接触しなかった人

というような形で、接触経路のセグメントを分類した上で
それぞれの接触経路がどれだけ実店舗への来店に寄与していたかを分析していきました。

これまでWEB上のコンバージョンしか測れていなかったところから
リアルの実店舗の来店を分析できるようになったことの価値は大きいと捉えています。

一方で、データの掛け合わせが多くなると
連携できるID数のボリュームが少なくなるので、
分析観点では、ある程度データ規模が大きい必要があります。
その点が今後の課題になってくるかもしれません。

業界にとっての価値

ーーありがとうございます。単純な広告の接触来店だけでなく、複数媒体を掛け合わせた分析という点も非常に面白いですね。
ーーちなみに、今回の取組は業界にとってどんなインパクトがあるんでしょうか?

今回の取組は、ポストCookie時代の1つの対策方法である
Data Clean Roomを活用した分析における、
分析レベルやソリューションを引き上げられたという点でインパクトがありました。

弊社で培ってきたデータ資産と、
御社の位置情報データを活用した分析を行うことができるため、
従来はできなかったオフラインの分析まで
幅を広げることができたことに価値があったと思っています。

また、従来は特定の総合代理店様を中心に
広告の接触者分析サービスを提供していましたが
今回の取組みによって、
弊社を通じてData Clean Roomを活用することで、
より柔軟に且つ安全に同様の分析が活用いただけるようになった点にも
価値があると感じています。

4)ブログウォッチャーを選んでいただけた理由

写真:株式会社ブログウォッチャー 小林樹杏


ブログウォッチャーを採用した理由

ーー位置情報データを扱う会社は他にもあると思いますが

今回、ブログウォッチャーの位置情報データを採用いただいた理由をお教えいただけますでしょうか。

御社のデータを採用させていただいた決め手は2点ありました。


1点目は、「データの量」の部分です。

まず、前提として
Data Clean Roomで分析を行う場合、
ユーザーのプライバシーが配慮されている関係上
一定のデータ量に満たない場合は、分析・集計結果が算出できません。

例えば、N数がいくつ以上でないと数字として返ってこない(マスキングされて結果が返されてしまう)などの制限があるんです。

そのため、今回の分析では「分析データの量」が非常に重要なポイントでした。

その点、御社の『プロファイルパスポート』は
ユーザーから許諾のとれた位置情報データ、
且つ国内最大級のデータ量を保有している点が
今回の分析には優れていると感じていました。

また、来店計測を精度高く行う上では
データの「質」の部分も大事になってくるので、
その点でも採用させていただきました。


2点目は、「担当の方の対応のスピード感や柔軟さ」の部分です。

クライアント様に
決まった納期までにデータ分析結果や示唆をお出しする上で
スピード感を持って、
データの調達やData Clean Roomでの分析を行っていく必要がありました。

Cookieなどを用いて分析するだけであれば
基本的には自社内で完結することができ、
ある程度スピード感を持って分析を進めることができました。

一方で、Data Clean Roomにて、
他社から調達したデータも含めて分析する場合
そちらのやりとりや、
分析手法の確立に時間がかかってしまう点がネックでした。

ただ、今回御社と連携させていただく中で
納期要望などに対して、
柔軟にスピーディな対応をしていただけているので
その部分は非常にありがたく感じております。

また、スピード感だけでなく
ご担当者様のコミュニケーションの円滑さや柔軟さ、
また、データに長けた専門性の高い担当者が
親身に相談に乗っていただき安心して日々お付き合いができております。

ーーお褒めの言葉をいただき、ありがとうございます。
ーーデータ分析の手法や価値はまだまだ上げていけると思いますので、引き続きお願いいたします。

5)今後の展望

写真左:株式会社ブログウォッチャー 丹野裕鵬
写真右:株式会社ブログウォッチャー 小林樹杏

取組の展開性

ーー最後に、今回の取組の今後の展望や展開性について教えてください。

今後の展開としましては
まずは、今あるデータで分析の取り組みを拡大して、
ノウハウを洗練させていきたいと思っています。

Data Clean Roomを活用した分析の価値をアップデートをする上では
やはりクライアント様の要望や生の声が重要になると考えています。

今回の位置情報データを用いた、来店計測の例でもそうですが
クライアント様からいただく要望を形にする方法を考えることが
新しい分析価値の創出や、既存の分析手法の価値を広げることに繋がります。

そのため、
今回のような位置情報データを活用した来店計測を可能にする例であれば
全国規模の店舗をお持ちのクライアント様を中心に
さらに展開を考えていきたいと思っています。

また、来店分析に関しても、
現状のアウトプットとしては限られたものとなっているので、
配信設計や分析設計段階でも御社にサポートいただきながら、
より精度の高いアウトプットを提供できるようにしていきたいです。

 ーーその他、御社として注力していくポイントはありますでしょうか。

われわれのチームとしては
Cookieレスに対応したデータマーケティングサービスを提供していくことをミッションとしているため、
今回お話ししたData Clean Roomに限らず、
別分野においても
より価値のあるサービスの提供を目指していきたいと考えています。

例えばですが
最近は、
気象データなどを絡めた分析も施策として使えないか、と思っていて
位置情報データと掛け合わせることで、
活用方法が見出せるのであれば面白いと思っています。

ーーリアルタイムの気象データとリアルタイムの位置情報データを連携できれば、何か展開の可能性があるかもしれませんね

まさに、
位置情報データと気象データは個人的に相性がいいのではと感じているため、
まだ先になるかもしれませんが、
天気や気象条件に合わせて
移動や顧客ビジネスの需用や予測を判別するサービスなどは
個人的に興味を持っているので、引き続き相談させてください。

ーーこちらこそ、今後も協働していきながら価値を生み出していければと思います。
ーー本日はありがとうございました。