【事例インタビュー】「人流データ」を用いて、自治体の観光DXを強力推進!最先端事例をご紹介 / 株式会社 ナイトレイ

今回は、株式会社ナイトレイ様にインタビューをさせていただきました。

ナイトレイ様は、位置情報をはじめとした様々なデータを用いて
主に自治体様に向けた、課題解決コンサルティング支援を行っている会社様です。

各自治体の悩みに沿った、先進的なソリューションに注目です!

以下、敬称略

==お話しいただいた方==
株式会社ナイトレイ
データコンサルティング事業部 部長 山口 翔(写真中央)
データコンサルティング事業部 下村 憲司(写真左)
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==インタビュアー==
株式会社ブログウォッチャー 
プロファイルパスポート事業部 パートナーセールスグループ 康 圭吾(写真右)
プロファイルパスポート事業部 営業企画チーム 丹野 裕鵬(企画・マーケティング)
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1)サービス概要

ーーまずはじめに、サービス概要を教えてください

「CITY INSIGHT」という総称で、データのプラットフォーマーとして
クライアント様の課題に対して、データを用いた解決策を提供していく活動をさせていただいています。

ブログウォッチャーさんのような、データを持ってる様々なデータホルダー様と連携して
そのデータを分析して、ソリューションを提示しながら、ご支援していくということをしています。


ーークライアント様はどの業界が多いのでしょうか

弊社のお客様の中で最も多いのは、自治体様を中心とした「観光分野」です。

データで人の動きを見るということを考えたときに、観光でどのように人が動いているのかを分析するケースが多くなっています。

また、業態でいうと2パターンあります。

1つは自治体様やメーカー様というエンドクライアント様に、弊社(ナイトレイ)がコンサルの立ち位置で分析結果を渡すケース。

もう一つはコンサル会社様に、データベンダーとして間に入らせていただき
データや分析を提供するケースがあります。


ーーブログウォッチャーの位置情報データ以外ではどういうデータを使っていますか?

  • 基地局から解析した位置情報データ
  • クレジットカード消費データ
  • カープローブデータ
  • SNS解析データ

など、様々です。

弊社独自の技術としては、SNS投稿を位置情報として解析したりもしています。

データは様々扱ってはいますが、主に位置情報と親和性の高いデータを拡張しながら提供価値を増やしていきたいと考えています。


2)ブログウォッチャーのデータを導入した決め手

ーー当初、位置情報データに関してどんな課題がありましたか?

当時のアプリGPSデータには2つの課題がありました。


1つ目は、「データ量が少なかった点」です。
これまではエリアや期間を絞ったときに、データ件数が全然ないというケースがよくありました。
データ量が少なく、複雑な分析ができない点は、ずっと解消したいと考えておりました。

2つ目は、「属性の偏り」です。
当時は1つのアプリから取得したデータを扱っていたので
データの偏りにも懸念がありました。

正しく傾向を把握するために、偏りのないデータを取得したいと考えていました。


ーー実際にブログウォッチャーのデータを取り入れて、その点は解消されたのでしょうか?

バッチリ解決しました!

後ほど詳細お話ししますが、杉並区での分析事例で
1つの道路の「交通量」や「移動手段」を分析したものがありました。

その際、1つの道に絞っても、分析できるだけのデータ量がありましたし
移動速度を元に「移動手段の分析」もしていたのですが、データ精度の面でも以前に比べ、大きく向上していました。

データの量・精度共に十分あったため、行政の方にも納得してもらいやすかったです。

ーー他社とも比較されたと思うのですが、導入の決め手は何でしたか?

導入の決め手は、ご担当者様を中心に、会社としてかなり柔軟に対応してくれる(条件面やデータの提供方法など)というところでした。
案件ごとに柔軟にご対応いただいたので、少しずつご相談させていただく機会も増えていきました。

その中で、データ自体の良さ(データ量や精度)や、担当者様とのコミュニケーションの円滑さ・柔軟さも感じており、ますます距離が近づいています。

あとは、居住エリアや属性情報の推定データを付与していただけるというのが、作業サイドとしてはかなりありがたかったです。

※ブログウォッチャーの位置情報データは、許諾を得たユーザからのみ取得されています。なお、氏名や電話番号などの、特定の個人を識別できる情報は取得していません。

3)位置情報データの活用事例

ーー具体的に、ブログウォッチャーのデータをどのように活用いただいているのか事例を教えていただけますでしょうか?

事例として2つほど、ご紹介します。

①東京都 お台場エリアのデータ分析事例

1つ目は、東京都の臨海副都心エリア(お台場、有明など)のデータ分析です。

現在、お台場や有明などの臨海副都心エリアの人流を見える化するための
プラットフォームを作るプロジェクトに携わっています。

今回、ブログウォッチャーさんの位置情報データを活用させていただき、街を訪れた人の周遊の傾向や移動手段などを調査し、エリアにおける混雑状況の把握や人流の傾向について分析を行いました。

分析の中で臨海副都心エリア内の主要施設間はどれくらい周遊されているのかを明らかにした事例が非常に面白かったので紹介させていただきます。


■有明ガーデン来訪者の分析

まずは有明ガーデンの周遊分析です。


結論としては
『有明ガーデンに来訪している人は、周辺の商業施設へ周遊する傾向が見られない』ことがわかりました(図参照。データの実数値は非公開)。


■コミックマーケット(東京ビッグサイト)の分析

次にコミックマーケットの分析です。

こちらも有明ガーデンの分析と同様に
『コミックマーケット参加者は周辺の商業施設へ周遊する傾向が見られない』ことがわかりました(図参照。データの実数値は非公開)。

また、周遊の「量」だけでなく、「移動手段」や「滞在時間」(右図)も把握することで
的確に課題を捉え、今後の改善施策の検討にも活用することができます。


例えば、

徒歩での移動が難しいことがわかれば
→「自動運転」の移動手段を作り、移動の負担を下げる

各施設間を周遊する傾向が見られないのであれば
→各施設での「スタンプラリーイベント」を実施する
→「サイネージ」を用いて、周遊を促進する

など、課題に応じた対策を講じることができます。

また、そういった改善施策の示唆だけでなく
施策の「効果検証」も、ブログウォッチャーさんのデータを使って
定期的にモニタリングしていきたいと思っています。

将来的にはダッシュボード化して、タイムリーに人流を分析できるように考えていきたいです。

ーー確かに、コミケでこれだけ人が集まっているのに、活かしきれていないのは、東京都としてはもったいない部分ではありますね。また、課題分析だけでなく、今後の継続的な効果検証という視点も面白いですね。

おっしゃる通りで、「効果測定」の面で位置情報はかなり使えると思っています。

WEB流入であれば、Google Analyticsなどで
AページからBページへの遷移などは追えると思います。

一方、オフラインでは、これまで効果測定は難しかったですが
位置情報をうまく活用していくことで、WEBと同じような分析や効果計測ができるのではないかと考えています。


②杉並区のデータ分析事例

2つ目として、杉並区のプロジェクトについて紹介します。

阿佐ヶ谷駅を南北に通っている「中杉通り」という道があるのですが、歩道上では、歩行者と自転車が入り乱れていることもあり、杉並区では安全で快適な歩行者・自転車空間の改善に向けて取り組んでいます。それを踏まえ、コロナ前後で自転車交通量の変化について分析したところ、コロナの影響で自転車で通る人が増えていたんです。

自転車と自動車が一緒に走っていると危ないので、
しっかり「自転車専用レーンを整備すべき」という議論がありました。

じゃあ「どこのエリアを優先的に対応すべきなのか」
また、その中でも「時間帯によって混むところはどこなのか」などを
ブログウォッチャーさんの位置情報データを用いながら、分析していきました。

時間帯別の交通量だけでなく、自転車や自動車などの移動手段を、弊社側(ナイトレイ)の移動手段判定ロジックを元に解析していきました。

その分析結果を
歩行者・自転車空間の確保というハード面の改善や、
交通規制、案内など、周知させるためのソフト面の対応を検討する材料として活かしていただく予定です。


ーー確からしい移動手段判定ができると、交通コンサルであったり、観光分析の面で非常に有益な情報になりますよね。

おっしゃるとおりです。

どの交通手段で移動しているかが分かるデータもあるのですが、基本的にはメッシュ単位までです。

ただ、交通や観光の分析をしようと思うと、メッシュの中でどう動いているかが分からないという点が課題になってきます。

その点、ブログウォッチャーさんのようなアプリGPSの位置情報は、詳細を見られる良さがあるので、混雑対策や交通計画にも活かしていけるんじゃないかな、と思っています。


ーーメッシュ型(基地局データなど)とポイント型(アプリGPSデータなど)で分析できる価値は変わりますか?

全然違いますね。

たとえば携帯の基地局データを使う場合
ある程度精度高く「そこに何人いた」というデータは分かります。

でも、そのデータだけだと不十分なんです。

たとえば、「渋谷にたくさん人がいました」ということが分かっても
それは初めから分かってるよ、、、ってなりますよね。

むしろ「渋谷にどこから、どうやって来てるのかを知りたい」となるんですが
基地局データでは、それは不可能ではないものの、かなり高額になってしまう。

そこに対してアプリGPSを使えばポイントで分析できるので
統計的な精度の考慮は必要ですが、非常に有用だと思っています。

自治体様としては「どの地点から、どの地点に移動しているのか」「どうやって移動しているのか」を知りたいというニーズが非常に強いです。

そうなるとやっぱりアプリGPSデータの方ができることが多いですね。


③その他、活用事例

ーーその他、観光分野でよく使われる分析などはありますか?

潜在的な観光スポットを探索するために
位置情報データ以外の、複数のデータを組み合わせて分析するケースが多いです。

アプリGPSや基地局の位置情報データに加えて

  • SNS解析データ
  • クレジットカード決済データ

などはよく活用しています。

アプリGPSなどの位置情報データから、観光地周辺エリアの人の多さがわかります。
そのデータと合わせて、SNSの投稿やカード決済データを分析することで
来ている人が、SNS投稿や購買などのアクションをしているか
比較分析することができるんです。

例えば
位置情報から、周辺に人が多いことが分かった一方で
SNS投稿やカード決済が少ないことがわかれば
改善施策次第で、その差分を埋めて人気観光地にできるかもしれません。
このような潜在的な観光スポットの探索はよく活用していますね。

また、観光地の集客改善という点でも位置情報×SNS・決済データを利用しています。
どの場所で、どんなSNS投稿がされているのかを分析することで
その場所に訪れる人が「どういう人なのか」というペルソナ分析ができます。

ペルソナ分析した内容や、SNSで投稿されるキーワードなどを元に
リスティング広告の出稿改善やWEBサイトのSEO対策に反映させるなど
具体的な集客施策に活用することもできます。


4)ブログウォッチャーの良い点と今後の期待

ーーこれまでもたくさんお話しいただきましたが、改めてブログウォッチャーのデータの利点があれば、教えていただけますでしょうか。

柔軟にご対応いただけるというソフト面はもちろんなんですが
良かった点としてはやはり、ユーザー数として統計的に十分なデータ量がある点、属性など追加分析できるデータを付与していただける点があげられると思います。

データ量に関しては、地方だとまさに顕著で
他社さんのデータを使った際に、データ量が不足しているケースもあったんですが、ブログウォッチャーさんのデータだと十分なデータ量でお客様にも満足いただけるものになりました。

また、先ほど例で挙げた臨海副都心エリアの分析でも
外部エリアからの来訪者に絞って分析するというような要望も、サンプル数に問題なく、簡単にできるので、エンジニアチームとしても工数を削減できました。
性別年齢などのセグメントで絞って提案できるようになったのは大きな強みです。

最終的なアクションまで紐づけるとなった時に、やっぱり人の動きに加えて属性データを付けたいので、御社はかゆいところに手が届くというのがとても強みだなと思います。

あとは、今後の展望にはなりますが
今後『商業施設が街に対してどういう影響を与えられるのか』という分析にも取り組んでいきたいと思っています。

その際は「高度データ」の活用も考えていきたいので
「高度データ」の提供についてもご協力いただける点、心強いです。


ーー 一方で、もっとこうなったら使いやすいなどの「今後の要望」はありますか?

要望としては「移動手段判定の精度」と「リアルタイム性」が担保できると
より深い分析ができるのではないかと考えています。

今は、速度で移動手段を判定しているのですが
たとえば、ロードバイクが平均時速20kmを超えてしまうので、自動車と判別がつきにくいなど、細かい精度については課題があります。

移動手段の精度が高められる技術があれば、よりありがたいです。

あとは、やはり「リアルタイム性」が高いともっとできることはあると思いますね。
3日前までのデータが見れるなど、もっとタイムラグが減ってくれば
タイムリーにPDCAを回せるようになるのでありがたいです。

例えば行政などでも
大規模イベントの開催日の人流データを、翌日など、できるだけ早く発表したい!
というニーズはかなりあると思います。

リアルタイム性が上がれば
商業施設の単発イベントの分析など、より身近な部分も含めて
位置情報データ活用の幅が広がっていくと思います。


5)最後に

ーー最後に、今後の展望などがあれば、是非教えてください。

目標としてはデータがどんな人にも使ってもらえる社会を作っていきたいと思っています。

データを使うのが当たり前の世の中を作っていくために

  • 『データが見えるとこういうことが分かるんですよ』
  • 『データを活用するとこういうことができるんですよ』

というプロモーションを出していきたいです。

子どもに対するデータリテラシーの教育など
データが授業で使われるような未来とかも作っていきたいですよね。

データが当たり前に使われる社会を作っていくためには
まだまだロケーションデータ(位置情報データ)はマイナーなので
ナイトレイだけでなく、ブログウォッチャーさんだけでもなく、位置情報界隈の人たちが一緒に連携しながらアクションをしていきたいと思っています。

ーー是非、今後も連携しながら業界を盛り上げていきましょう!ありがとうございました。

【事例インタビュー】「人流データ」を用いて、自治体の観光DXを強力推進!最先端事例をご紹介 / 株式会社 ナイトレイ