位置情報からターゲットを解析し、セグメント化して広告を配信するジオターゲティング広告を運用している企業は多数あります。

しかし、十分に活用できていない、もっと効果的なプロモーションをしたいなど考えている企業も多いのではないでしょうか。
そのためには、ジオターゲティングの概要のほか、
どのような施策に活用できるのかを深く理解する必要があります。

例えば、ジオターゲティングを単独で使うだけではなく、
ほかの施策と併用するなどひと工夫をすることで、
より効果的なマーケティングにすることが可能です。

この記事では、
ジオターゲティング広告の活用方法や運用のコツなどを事例をもとに解説し、
その際のデメリットと解決策のほか、おすすめのサービスなども紹介します。

ジオターゲティング広告とは

ジオターゲティング広告とは、
位置情報からターゲットを解析し、セグメント化して広告を配信する広告です。
主にエリアマーケティングに使われます。

ジオターゲティング広告については、
「ジオターゲティングで広告効果を最大化！位置情報を使った広告のメリットとは？」を、
エリアマーケティングについては、
「エリアマーケティングのメリットとは？やり方とポイントも合わせて解説」
をご参照ください。

位置情報の取得には、おもにスマートフォンのGPS、ビーコン、Wi-Fiなどを利用します。
スマートフォンの普及により、ジオターゲティングの利用が増えました。

ジオターゲティングで何ができるのか

ジオターゲティングでは、次のような広告配信が可能です。

• エリアを絞った広告配信
  位置情報を利用して、配信エリアを絞った広告配信が可能です。
  
  
• 幅広い年齢層への広告配信
  ジオターゲティング広告は、テレビやチラシなど従来のメディアではなく、
  スマートフォンやパソコンに広告を配信します。
  そのため、デジタル端末を活用する若い年代へも広告を配信することが可能です。
  
  
• 行動履歴による広告配信
  一時的な位置情報だけではなく、
  継続的に位置情報を取得・分析して、行動パターンをもとにした広告を配信できます。
  これにより、ピンポイントに絞り込んだターゲティングが可能です。
  
  
• 広告配信の低コスト化
  広告を配信するエリアやターゲットを絞ることで、配信の無駄を削減できます。
  
  
• 潜在的顧客への広告配信
  行動履歴や検索履歴のキーワードをトリガーにして、
  既存顧客だけでなく潜在的顧客にも広告を配信できます。
  
  
• 配信した広告の効果分析
  広告によりユーザーが実際に来店したかどうかが分かり、広告の効果を分析できます。
  
  
• 次の配信の最適化
  広告配信の結果を分析することで、
  よりユーザーに合わせて最適化した広告を配信できます。
  
  

Google 広告の地域ターゲティングとの違い

ジオターゲティング広告とよく比較されるのがGoogle 広告の地域ターゲティングです。
違いはどこにあるのでしょうか。

ジオターゲティング広告は
Google 広告の地域ターゲティングよりも細かなエリア指定や詳細なターゲット指定が可能です。
しかし、Google 広告の方が予算を自由に設定できます。

	ジオターゲティング広告	Google 広告 地域ターゲティング
エリア指定	詳細なエリア指定が可能	ジオターゲティングよりも指定できるエリアの単位が大きい
予算	各社規定によるが、カスタマイズの余地は少ない	自由に設定できる

ジオターゲティング広告でより効果を上げるには

ただエリアを絞った広告を出すだけでなく、
ターゲットによって配信媒体を使い分けたり、他の方法を組み合わせたりすることで、
より高い効果を期待できます。

配信媒体の選択

ジオターゲティング広告の配信は、
株式会社ブログウォッチャーの「プロファイルパスポートAD」をはじめ、
いくつかの企業で行われています。
ターゲットの属性に合わせて配信媒体を使い分けることも可能です。

ジオターゲティング広告と他の施策やデータとの組み合わせ

他の施策を組み合わせることでより高い効果が期待できます。
例えば、次のような組み合わせはよく使われているものです。

• 店頭販促物との連動
• ターゲットの属性（年代、性別など）との組み合わせ
• 行動履歴、検索履歴などとの組み合わせ
• 自店舗アプリの特典やサービスとの組み合わせ
• 自社の業務内容と関わりの深いイベントとの組み合わせ

ジオターゲティング広告のデメリットを解決する方法

ジオターゲティングも決して万能ではありません。
いくつかのデメリットがあります。

ここでは、
ジオターゲティングのデメリットを解決してより効果を上げる方法をご紹介します。

ジオターゲティングのデメリットについては、
「ジオターゲティングで広告効果を最大化！位置情報を使った広告のメリットとは？」
もご参照ください。

• 直接のコンバージョンにつながりにくい
  ジオターゲティング広告は、認知度向上や集客にはとても効果的です。
  しかしその次の段階、実際の購入や申し込みなどのCV（コンバージョン、成約）に結びつくものではありません。
  コンバージョンアップのためには、
  それぞれの段階で他の施策と組み合わせるなどの工夫が必要です。
  
  例えば、次のような施策と組み合わるとコンバージョンアップを狙えます。
  ・アプリ経由来店者へのオファー（値引きやノベルティ、クーポン配布など）
  ・リターゲティング広告
  
  
• ターゲティングミスが起こりやすい
  ジオターゲティングでは、かなり自由にターゲットを絞り込めます。
  しかし、ターゲットを絞り込みすぎると、
  広告を配信できるターゲットの数が少なくなりすぎるというデメリットがあります。
  認知度向上や集客のためには、ターゲットの過度な絞り込みは避けましょう。
  
  ターゲティングには、次のようなポイントがあります。
  ・最初は広めにターゲティングし、徐々に範囲を狭くしていく
  ・「認知」と「制約」の優先順位を考え、絞り込みのバランスを勘案する
  ・「使用者」と「購入者」が異なるケースも考慮し、細かすぎるターゲティングを避ける
  
  
• 広告効果の分析が難しい
  ジオターゲティング広告における認知度向上と、
  実際の購買行動を同時に分析はできません。
  異なるデータとの連携および分析が必要になります。
  専用のデータ分析ツールの導入、専門的知見を持つ代理店との協業など、
  専門的な視点を取り入れるための工夫が必要です。
  

ジオターゲティング広告の活用事例

• 位置情報に連動したプッシュ通知送信の例
  空港の国際線ターミナル近くで海外旅行保険に関する告知を送信。
  
  
• 需要予測により仕入れを最適化した例
  位置情報をもとに、飲食店および中食業界の需要予測を行い、仕入れや人員配置を最適化。
  
  
• 来場予測により密を回避した例
  特定のイベント会場における来場予測を利用し、顧客の配置を最適化して「密」を回避。
  
  
• 人流予測により売上向上した例
  ハブ駅近辺の人流予測を利用し、周辺の飲食店の入店や売上を予測、
  それを利用して客の回転率を向上。
  こうした工夫によって、売上向上につなげることができます。
  

まとめ：ジオターゲティング広告で効果を上げるには工夫が必要

ジオターゲティング広告は認知を高めるには最適ですが、
必ずしもコンバージョン率を上げられるというものではありません。

ジオターゲティング広告の特徴やデメリットを理解し、
ツールを活用して運用する必要があります。
適切な対策を取れば、効果的な広告運用が可能です。
ジオターゲティング広告には、位置情報データが不可欠です。

位置情報の取得には、
株式会社ブログウォッチャーが提供する位置情報データサービス「プロファイルパスポートSDK」をおすすめします。
精度の高いターゲティングのほか効果測定も可能で、
より効果的なジオターゲティング広告を配信することが可能です。