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ユーザーによってダイナミックに広告を変化させることができるDOOHとは?OOHとは何が違う?

OOH(屋外広告)は、同じクリエイティブを長期間掲示し、効果がはっきりしない広告の代表例でした。ただし近年はデジタル化により、効果検証可能な広告へと日々進化しています。今回は従来のOOHとDOOHの違いやOOHをデジタル化するメリット、さらに進化したDDOOHと位置情報データとの連携による効果測定などについて説明していきます。

DOOHとOOHの違い

はじめにOOHとは何か、DOOHとはどのように違うのかについて確認しておきましょう。

OOHとはOut Of Homeの略で、屋外広告全般のことを指します。

  • 繁華街や地下街、駅などで目にする街頭ビジョン
  • 看板広告
  • 電車内の交通広告
  • ラッピングカー
  • 建設中のビルの仮囲いに印刷された広告
  • フリーペーパー
  • イベントや街頭などで配られる商品サンプル
  • チラシなど

上記はすべてこのOOHに含まれます。つまり屋外で、人の目につくように展開される広告はすべてOOHなのです。

一方、DOOHとは、Digital Out Of Home(デジタル屋外広告)を略した言葉です。OOHのなかでも、主にデジタルサイネージを利用したOOHを総称してDOOHと呼んでいます。

DOOHのメリット

  • ターゲットや時間帯やシチュエーションに合わせて広告内容を変えられる

例えば、広告看板やラッピングカー、電車内の吊り広告などのOOHは既に印刷されたものであり、瞬時に内容を変更することはできません。

DOOHであればディスプレイに送る情報を変えることで、朝の通勤時間帯は天気予報やニュース速報、退社時刻には居酒屋やレストランのディナー情報などを掲示できます。

  • 視認性が良い

輝度の高いディスプレイは視認性も良く、朝夕の太陽の位置によって見にくくなってしまうこともほとんどありません。

  • 収益性が高い

DOOHはいくつもの広告主から広告出稿を受けることができ、ディスプレイを設置している広告会社にとってはOOHのなかでも収益性が高いのです。

このように柔軟性や視認性、収益性に優れたDOOHは、OOHのなかでも近年急激に増えている広告方法となっています。DOOHは、OOHの弱みである変更や更新が困難という問題、効果検証が難しいという問題を解決できる、新しい広告手法といえるでしょう。

【参考記事】OOHの効果測定ができる!?今まで難しかった効果検証が位置情報データを活用することで分析可能に!

OOHのメリット・デメリット

ではそもそも、屋外に広告を掲示するOOHにはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか? ここでは、OOHをデジタル化するメリットについても改めて確認しておきましょう。

メリット

  • リーチ力の高さ

OOHの一番のメリットは、交通機関を利用している人や街を歩いている多くの人の目に入りやすく、リーチ力(広告を消費者に届ける力)が高いことです。広告の多くはテレビや雑誌を見ている、もしくはインターネットの検索エンジンやポータルサイトなどを閲覧している状態で消費者に届けられます。OOHであれば、消費者が上記のような能動的な行動をしていなくとも、街中を歩いているだけで自然に広告を受け入れてしまう効果があるのです。

  • 制限が少ない

TVCMには、テレビ番組の間の15秒で流すという時間制限があります。また広告代理店に支払う料金によって、TVCMを流す時間帯も変わってきます。新聞や雑誌など紙媒体では紙面の制限(大きさや色など)があり、掲載する日付や月、週が決まっています。OOHには、基本的にこのような時間的な制限や紙面の制限がありません。もちろんOOHにも掲載できる場所や広告の大きさについての制限はありますが、一般的なメディアへの広告掲載に比べて、制限は少ないといえるでしょう。

  • ターゲットを限定できる

OOHは広く消費者に広告情報を届けられる広告手法ですが、特定の場所(駅や空港、電車内など)に出稿することで、ある程度ターゲットを限定することもできます。

  • 繰り返し、インパクトの強い広告を届けることができる

OOHは掲示期間中、繰り返しターゲットに対して広告を届けることができます。またディスプレイを使ったデジタルサイネージでは、動画によるインパクトの強い訴求も可能となります。

デメリット

  • 効果検証が難しい

制限をかけず多くの人に広告を届けられるということは、逆にいえば何人に広告情報がリーチでき、効果がどの程度だったかを把握しにくいということにもなります。OOHの一番のデメリットは、その広告効果を詳細に把握できないということです。例えば広告看板などは、長期間掲示していても果たして効果があるのかないのか把握できず、結果としてダラダラと掲示をし続けるということが起こります。

  • 広告の費用対効果を検証しにくい

上記のような理由から、掲示を継続することで効果が上がるのか検証しづらく、費用対効果も検証しにくくなります。オンライン広告以外の広告は費用対効果が測りにくいものですが、OOHの場合は特にその効果を明確に示すことが難しいといえるでしょう。

OOHのデジタル化によるメリット

OOHのうち、街頭ビジョンやディスプレイを使ったもの(電車内に設置されたディスプレイ等)は、近年はデジタル化され、DOOHと呼ばれています。DOOHの強みは先述の通り、ターゲットに合わせて、また時間帯やシチュエーションに合わせて瞬時に広告内容を変えられることです。またDOOHのもう一つの強みとして、他のデジタル技術と組み合わせやすくなったことも挙げられます。従来のOOHのデメリットは広告の効果や費用対効果を把握しにくかったことですが、例えばDOOHを位置情報データと連携させれば、広告の効果測定が可能になります。

DOOHの進化系DDOOH

デジタル化され利便性と広告効果の高まっているDOOHですが、近年は周りの状況によって自らダイナミック(動的)に広告の内容を変えるという特徴を持ったDDOOHに進化を始めています。DDOOHとはダイナミックDOOHの略で、デジタルサイネージにカメラやセンサーを搭載し、周囲の状況に合わせて広告が自動的に変わっていくという機能を持っています。例えば、デジタルサイネージの近辺にある桜の開花状況をカメラが捉え、リアルタイムに連動した広告が自動的に配信されたり、電車内の混雑状況や乗客の性別、年齢層に応じた広告が適宜配信されたりするといった仕組みになっているのです。DDOOHは従来のマスメディアでも実現できなかった、まったく新しい広告配信の手法といえるでしょう。

位置情報データとの連携で広告の効果測定が可能に

このように進化を続けるOOH、特にDOOHやDDOOHの広告効果測定は、位置情報データと連携することにより効率的な効果測定が可能となります。DOOHやDDOOHに接した消費者の位置情報データと行動履歴情報を組み合わせて分析すれば、視聴後に実店舗に訪れたか、商品の購買に至ったかどうかなどの情報を得ることができます。従来のOOHは広告の効果を得ることが困難でしたが、位置情報データを利用すれば、精度の高い広告効果測定が可能になります。

まとめ:位置情報データと行動履歴情報を組み合わせれば高精度の効果測定が可能になる

無理やりな広告配信がユーザーに嫌気されてしまうことも多い昨今、自然に何度もユーザーの目に入るOOHの効果はとても大きいものです。ところが一番のウィークポイントは、その広告効果が測定しにくいことでした。近年のデジタル化はOOHをDOOHに進化させ、位置情報データと連携することにより効果測定が容易になりました。DDOOHとなって、さらなる進化を遂げているOOH。ブログウォッチャーの提供するスマートフォン向け位置情報データサービス「プロファイルパスポート」であれば、ユーザーの行動履歴情報の可視化を加速させることが可能です。位置情報データの分析やマーケティングへの活用方法などは、ぜひブログウォッチャーにご相談ください。