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位置情報マーケティングがビジネスを加速させる!その効果と注目される理由とは? 

People flow data

ここ数年猛威をふるっている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で
頻繁に人流(じんりゅう)という言葉を耳にするようになりました。

人流とは文字どおり、人の流れや動きを意味しますが
この人流を可視化させるひとつの手段として活用されているのが「位置情報」です。

*人流分析については、「人流分析で何ができる?活用の場はどんどん広がっている」を参照ください

位置情報を使って取得したさまざまなデータは
マーケティングに有効活用でき、ビジネスを加速させる情報として注目されています。

位置情報をどのように取得し、マーケティングへどのように活用するのでしょうか?
今回は位置情報の概要と注目される理由、その活用方法などを紹介します。


位置情報とは?

位置情報とは

  • GPS
  • 通信基地局
  • Wi-Fiスポット
  • ビーコン

などに接続しているスマートフォンなどのモバイル端末から得られる
ユーザーの「位置」に関する情報のことです。

位置情報を利用して、デバイスを持っている人の移動経路や移動履歴を把握したり、道路の通行量や公共施設の混雑具合などのデータを取得したりすることが可能です。
ただし、デバイスがそのとき接続しているサービスによって、精度や即時性は変わります。

近年では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大時に
位置情報を活用した人流データ(コロナの流行前後での都市部の人出や混雑状況の比較・分析)が活用されたことで知名度が上がりました。


位置情報が近年注目されるようになった要因はほかにもあります。
それは、個人が所有する各デバイスの普及と
通信基地局、Wi-Fiスポット、ビーコンといった位置情報を取得できる設備の拡充、データの精度と分析技術の向上です。

位置情報の活用が近年注目される理由

位置情報は近年になって活用されるようになったわけではなく
以前からGNSS(全球測位衛星システム。代表例は米国のGPS)を利用して船舶や航空機の運航に役立てられてきました。


近年は車のナビゲーションシステムやスマートフォンの普及により
個人レベルで位置情報の活用ができるようになっています。

旅行や近くの飲食店を探すときなど、スマートフォンで「グーグルマップ」などの地図を見ながら目的地を探すときにもユーザーは位置情報を利用しています。

スマートフォンやパソコンなどの、個人が使うデバイスの普及は
通信基地局やWi-Fiスポット、ビーコン機器設置の拡充をもたらしました。

これらの情報はGPSを補完する機能として活用され、位置情報の精度向上に寄与しています。

位置情報は、これまでは困難だった実店舗における顧客の行動データ取得にも活用され始めています。位置情報は、顧客の行動を可視化し、ビジネスに活用できるマーケティングツールとして注目されているのです。


位置情報データの種類

位置情報を取得する方法にはどのようなものがあるのでしょうか?
ここで位置情報データの種類について確認しておきましょう。

Types of location information

ビッドリクエスト

ビッドリクエストとは
WEB広告にユーザーがアクセスした際に発生する(発行される)情報です。

この情報にはCookieやIPアドレスなどのユーザー情報が含まれており、これを位置情報の取得に利用します。ビッドリクエストに含まれる位置情報はデータ量が多く網羅性はあるものの、その精度は数百メートルから数キロメートルと市区町村レベルなので、大きな視点での利用に限られます。

通信基地局

通信基地局とは
携帯電話やスマートフォンと通信(通話)を行うために各キャリアが設置した通信設備を指します。

通信基地局と携帯電話やスマートフォンとの距離から、位置情報を推測して利用します。
通信基地局はGPSとともにデータ量が多く、一定の精度(数百メートル)があるので、市区町村を単位としたエリア単位での利用に向いています。

GPS

GPSとは
(Global Positioning System:全地球測位システム)を使って衛星から位置情報を取得する方法です。

GPSはさまざまなデバイスに搭載され
多くの人が利用していることから利用価値の高い位置情報が取得できます。

またデータ量が多く、精度も数メートルから数十メートルと実用性が高いのも特徴です。
GPSの位置情報を使えば、店舗への来店履歴など顧客の行動を細かく分析することができます。

*GPSについては、「意外と知らないGPSの仕組みとは?位置情報を測定する仕組みから用途まで詳しく解説します!」を参照ください

Wi-Fi

Wi-Fi(無線LAN)の受信機は、多くのモバイルパソコンやスマートフォンに搭載されています。

Wi-Fiは、さまざまな企業や店舗が設置しているWi-Fiスポットとの通信を利用して位置情報を取得します。Wi-Fiのデータ量はGPSに比べて少ないものの、精度は数メートルととても高く、ショッピングモール内のどの店舗に来店したかといった分析も可能です。

ただし、Wi-Fiの電波が届く狭い範囲でしか利用できないことには注意が必要です。

ビーコン

ビーコンは、Bluetoothの電波を使い、自機固有のID情報などを一定間隔で発信する端末です。

Wi-Fi同様、数メートル単位の位置情報を取得できますが
Bluetoothの通信範囲内でしか利用できないことには注意が必要です。

*ビーコンについては、「ビーコンを使ったマーケティングとは?ほかの通信機器との違いと活用方法」を参照ください

位置情報を活用することで可能になるマーケティングとは

上記のような位置情報を目的に応じて利用することで、さまざまなマーケティングが可能になります。ユーザーの位置情報を活用して行うマーケティングは、ジオマーケティングと呼ばれます。

以下、位置情報マーケティングの活用例を6個ほど紹介します。

来店促進施策の効果測定

クリック数、CV数などが明確に可視化できる「WEB広告」と比較すると
屋外の看板や交通広告(電車内の吊り広告など)、地下通路の広告などはこれまで効果を測定しにくいとされてきました。

このような広告の来店効果を測定したいときには、位置情報を使ったマーケティングが有効です。
広告宣伝の実施後、GPSやWi-Fiの位置情報を活用することで、広告を見た人がどれくらい実店舗に来店したかどうかを可視化し広告宣伝の効果をデータとして確認することができます。

商圏分析・競合分析

位置情報を活用することにより、同じ商圏内にある競合店も含めた来店傾向を可視化できます。
競合店に流れている顧客の属性や、平日や休日の来訪者の傾向を把握することで、自社の課題分析や適切な対抗戦略の策定が可能になります。

*商圏分析については、「商圏分析で何ができるのか。~データ活用の方法とポイントまとめ~」を参照ください

リアルタイムな位置情報にもとづいた情報提供

スマートフォンのアプリに特定のSDK(ソフトウェア開発キット)を組み込んでおけば、設定したエリア内に入った顧客に適切なタイミングで、リアルタイムプッシュ通知(ジオプッシュ)を配信できます。

たとえば、ドラッグストアの会員アプリにあらかじめSDKを組み込んでおき
会員がドラッグストアの周辺に近づいたら、薬のお買い得情報を自動的に送ることが可能です。

位置情報の履歴にもとづいたマーケティング

顧客情報(性別や年齢など)と過去の移動情報(履歴)を組み合わせることにより、行動パターンや消費者インサイト(消費者自身が気づいていない本音や動機)を把握することが可能です。

これらの情報は、今後の広告戦略や商品開発などに活用できます。

ジオターゲティング広告

ジオターゲティング広告とは
取得したユーザーの位置情報を分析し、そのユーザーに最適な広告を配信する広告手法です。

位置情報を使ってユーザーの行動履歴を取得すれば、ユーザーの嗜好や趣味を分析することができます。この情報をもとに広告を配信して成約率を上げたり、商品やサービスへの認知拡大を行って潜在層を顕在化させることも可能です。

ジオターゲティング広告については
「ジオターゲティングで広告効果を最大化!位置情報を使った広告のメリットとは?」もご参照ください。

位置情報とSNSの組み合わせ

TwitterやInstagramの位置情報、Facebookのチェックイン機能により顧客情報を抽出し、これらをマーケティングに活用できます。

たとえばTwitterでは、位置情報付与をオンにしておくことで各ツイートに位置情報が追加されます。
これを利用すれば、そのユーザーにジオターゲティング広告を配信することが可能になります。

位置情報は今後の活用が期待できるデータ

スマートフォンやモバイルパソコンが普及したことによって
位置情報にはさまざまな用途が期待できるようになりました。

ビジネスに応用すれば、今までは可視化することが難しかった顧客の行動を高い精度で把握できます。これを機会に、マーケティングへの積極活用を検討してみてはいかがでしょうか。

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