Googleストリートビュー日本上陸
日本の主要都市を写真で見せることができるサービス
Googleストリートビューが日本に上陸しました。
私も地域情報検索サービスの開発をしていたので
少しコメントをしたいと思います。
どちらかというと、個人情報保護やプライバシー保護に対して
議論が集中しているようですが、
メディアやサービスという観点で少しコメントしたいと思います。
■検索サービスとしての一線を越えたサービス
検索サービスは、さまざまな散らばっている情報(一次情報)を集約し、
ユーザーのニーズに従って、
最適な情報をわかりやすく見せる事が目的のサービスです。
その点から見ると、自ら道路の写真(一次情報)を蓄積している
Googleストリートビューはこの観点から見ると、少し違うサービスです。
なぜ、このようなサービスをGoogleが開始したのでしょうか。
自分で情報を集め、それを検索、閲覧できるようにする。
これは、自社サイト内にできるだけ多くのユーザーを
滞留させようとしているのでしょう。
従来、メディア(広告業)は、ユーザーを集めて
そのユーザーに企業が発信する情報(広告情報)を見せることで
広告費で稼ぐサービスです。
Googleは、検索連動型という直前ニーズを拾うことで成長していますが、
次に目をつけているのが、電話帳広告や屋外広告などの地域広告市場なのです。
■地域情報などリアル情報(現実世界にある情報)を取り扱う難しさ
インターネット上の情報の検索よりも
地図、道路、店舗の情報などの地域情報を検索させることは
非常に難しく、必ず、現地の情報を拾う仕組みが必要です。
タウンページの場合は、全国に情報収集のための営業所があり、
ゼンリンという地図製作会社も、測定員が配置されています。
Googleは、自動車にカメラを載せて、
運転しながら撮影するという方法を取っています。
自動車&カメラという機械を使って、
できるだけ、人間の力を借りないという方針がGoogleらしくて良いのですが
本気でサービス化をする際には、
Googleストリートビュー用のチームが編成されるに違いありません。
■何のためのサービスか?いつ使うサービスか?
ホットペッパーの前身である「サンロクマル」や
私が開発した「ドコイク?」も
地域情報を網羅的に扱おうとしたサービスで
ユーザーが定着せずに、当初は苦戦しました。
地域情報は、「検索したい」というニーズよりも
「喚起して欲しい」というニーズが強いように思える。
例えば、東京駅周辺のラーメン屋を検索したいや
横浜中華街の道を検索したいという検索ニーズよりも
「東京駅周辺で美味しいお店ってあるのかな?」
「横浜中華街で2時間ぐらい遊ぶならどうしたらよいの?」
のような「オススメして欲しい」「喚起して欲しい」というようなニーズが
圧倒的に多いと思う。
検索技術としては、ストリートビューはすばらしい技術だが
それを、どのように「喚起」に利用していくか?
がポイントだと考えられる。
■APIとマッシュアップという概念
最近は、APIが作られ、マッシュアップすることによって
人々が自由にサービスを作ることができる。
これによって、APIを利用してさまざまなサービスが生まれます。
ただ、「喚起させるサービス」については
APIを利用してもなかなかサービスが作られるのは難しいかと思います。
個人が、「横浜中華街のデートマップ」や「東京駅ラーメンマップ」を
マッシュアップして作ることは可能なのですが、
ここで力を持つのは、「一次情報」なのです。
マッシュアップした「二次情報」では、なかなか喚起を持つレベルには至らないでしょう。
■検索サービスから情報サービスへ
Googleストリートビューに、編集力がなんらかの形で備わり始め、
人々の行動を喚起できるようなサービスが出てくると、
Googleは単なる検索サービスから、
ユーザーの行動を変えることができる情報企業へと変貌するでしょう。
そうなると、圧倒的なインターネット上の情報を持っているGoogleに
対抗するのは容易ではなくなってきます。

